【国際結婚】異なる国籍を持つパートナーとの結婚後の在留資格の選択肢

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日本人と外国人が結婚した場合、外国籍のパートナーは日本で生活するためには「在留資格」が必要になります。外国籍パートナーが申請できる在留資格は「日本人の配偶者等」が基本ですが、状況に応じて別の在留資格を申請することも可能です。この在留資格の選択において最も大切なことは、在留資格ごとに定められた要件に当てはまっているものを選ぶことです。
本編では、日本人と外国人が国際結婚をして日本に住む場合の在留資格の選択肢について解説をします。

在留資格の種類と概要

日本で生活をするためには「在留資格」が必要ですが、在留資格とは何か、また日本にはどのような在留資格がある解説します。

在留資格とは

「在留資格」とは、外国人が合法的に日本に上陸・滞在し、活動することのできる範囲を示したものです。2024年3月現在29種類の在留資格があります。在留資格は「ビザ」という名称で呼ばれることが多いです。
在留資格は、活動内容や身分(配偶者・子など)によって割り当てられています。日本に滞在するすべての外国人が、何かしらの在留資格を持っているということになります。よって、外国人は活動内容や身分(ライフスタイル)に合わせて、在留資格を変更しながら日本に滞在することになります。

日本人と外国籍のパートナーが日本で生活するためには在留資格が必要

日本人と外国籍の方が結婚をし、日本で生活をすることを検討する場合には、外国籍の方は日本に在留するためには「在留資格」が必要になります。日本人と結婚をした場合、多くのケースで「日本人の配偶者等」という在留資格(ビザ)を検討をしますが、その他の在留資格に当てはまっている場合にはその在留資格を取得することもできますし、すでにその在留資格をお持ちであれば変更をしなければならないものでもありません。

ステータス当てはまる在留資格
日本人と結婚した場合日本人の配偶者等

参考(外国籍同士の結婚の場合)

ステータス当てはまる在留資格
「永住者」の方と結婚した場合「永住者の配偶者等」
「定住者」の方と結婚した場合「定住者」など
「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」等の就労ビザの方と結婚した場合「家族滞在」
(外国人本人が)会社を経営している「経営・管理」
(外国人本人が)会社員をしている「技術・人文知識・国際業務」「技能」など

在留資格「日本人の配偶者等」について

日本人と結婚したり、日本人の外国籍の子どもは「日本人の配偶者等」を取ることで日本で生活することができます。この「日本人の配偶者等」という在留資格(ビザ)は、「日本人と婚姻関係にある」ことで維持できる在留資格になり、就労制限はありません。ですので、例えば日本人と結婚をして新生活を日本で送る場合などには、就労制限のない「日本人の配偶者等」を検討するのが一般的です。

日本に在留する外国籍の方は在留カードが交付されますが、この在留カードには就労制限について触れられております。「日本人の配偶者等」の在留カードをご覧になれば分かる通り、就労制限はありません。「就労制限が無い」ということは、働く・働かないも自由ですし、会社経営をすることも自由です。

この在留資格で日本に呼ぶことができる家族として、「配偶者(妻・夫)」は当然のこと、日本人の配偶者【等】の【等】には子どもも含みます。まとめると、『日本人の配偶者等』で呼べる家族は以下の通りです。

在留資格「日本人の配偶者等」で日本の申請ができる人
・配偶者:妻・夫
・実子
・特別養子縁組をした養子

さらに詳しく説明すると、(呼びたい外国人が)夫・妻の場合には、現在婚姻関係中の配偶者(妻・夫)でなければなりません。つまり、婚約中や内縁関係、死別や離婚した場合は対象になりません。
また、(呼びたい外国人が)子の場合には、日本人の子として出生した実子日本人の特別養子(一般の養子は対象になりません)が対象になります。

夫婦間の婚姻関係は、日本と母国の両方の法律で成立している必要があります。例えば、日本では男女ともに18歳以上から婚姻が可能ですが、他国では20歳以上の場合、片方の国だけで婚姻関係が成立しているだけでは足りません。

“就労ビザ”について

前章で説明した通り、日本人と結婚した場合には就労制限の無い「日本人の配偶者等」を選ばれることが多いですが、例えば、すでに日本で就労ビザをもって在留している外国人と日本人が結婚した場合、結婚をしたら必ず「日本人の配偶者等」へ変更しなければならないかというとそうではありません。これは、出入国在留管理庁のQ&Aにも記載されています。

私は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っており、在留期間もまだ1年ほど残っています。まもなく日本人の女性と結婚する予定ですが、在留資格の変更手続をしなければならないでしょうか。

日本での仕事に変更がなく、引き続き同じ仕事に従事されるのであれば、現在有している「技術・人文知識・国際業務」の在留資格のままで在留することも可能ですし、また、日本人と結婚された後に「日本人の配偶者等」の在留資格へ在留資格変更許可申請を行うことも可能です。なお、「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可が認められた場合は、就労活動(職種)に制限がなくなります。

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」Q33より

上記の通り、活動内容(仕事内容)に変更が無ければ、「日本人の配偶者等」に変えなければならないと言うことはありません。次の在留期間の更新のタイミングで変更をするのでもよいですし、すぐに変更してもよいですし、もしくは、今の在留資格を期間更新をしても問題ありません。
(ただし、入管の相談窓口によっては変更することを“推奨”される場合もあるようです。)

最近では、結婚の在り方も価値観も人それぞれですので、パートナーと日本に過ごすにあたって、婚姻関係の継続・同居が前提となる「日本人の配偶者等」では都合の悪い方もいるかと思います。その場合には、“就労ビザ”を検討することになりますが、日本には“就労ビザ”という在留資格はなく、19種類+αある“就労ビザ”それぞれに可能な業務内容は決められております。加えて、在留資格ごとにどのような人(経歴、学歴)があれば取得できるのか条件がありますので、要件を満たしているかの確認を慎重に行うことになります。

ちなみに、“就労ビザ”の代表的なものとして、「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」「経営・管理」「教育」「興行」「技能」などがあります。

選択のポイントと注意点

ここまで、日本人と外国籍パートナーが国際結婚した場合に、日本で生活することを検討するのであれば「在留資格」が必要で、「在留資格」にはどのようなものがあるか説明をしました。

在留資格はなんとなく満たしていれば取得できるものではなく、それぞれの在留資格ごとに定められた要件をしっかり満たしていなければ取得はできません。
日本人と結婚していれば「日本人の配偶者等」は簡単に取れそうに感じるかもしれませんが、その他にも細かい要件があります。“就労ビザ”においても、それぞれに認められている活動の範囲があり、どのような人であれば申請できるかもそれぞれ決まりがあります。
大事なことは、どの在留資格であれば一番ベストであるかよく確認し選択することです。判断に迷った場合には、最寄りの入管や在留資格(ビザ)に詳しい専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

異なる国籍を持つパートナーとの結婚後、日本での生活を始めるためには「在留資格」の選択が必要です。日本人との結婚の場合、まずは「日本人の配偶者等」の在留資格を検討しますが、他の在留資格のほうがより適切な場合には、それも考慮する必要があります。異なる国籍を持つパートナーとの結婚後、在留資格の選択は生活の基盤を築く上で極めて重要です。適切な在留資格を選択することで、自身や家族の将来を見据え、円滑な生活を送ることにつながります。

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