日本人同士の結婚の場合、「戸籍」が新しく作られ、夫婦は1つの戸籍となります。では、日本人と外国人が国際結婚した場合に「戸籍」はどうなるのでしょうか。「戸籍」に記載される内容や、結婚した場合、子どもが生まれた場合の「戸籍」について説明をします。
戸籍とは
戸籍は、「夫婦当時を同じくする子(未婚の子)」を単位として、日本人の身分事項(出生、婚姻、子どもの出生、離婚、死亡など)を記録して、本籍地を置く役所で管理をすることを目的に作られます。
よく結婚をすることを「入籍する」というような表現をしますが、結婚をした場合は、親と一緒になっていた戸籍から外れ、新しく夫婦の戸籍を作ることになります。
戸籍謄本と戸籍抄本について
戸籍謄本は、本籍地を置く市町村役場で取得することができます。「戸籍謄本」(戸籍全部事項証明書)は、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものです。一方で、「戸籍抄本」については戸籍に記載されている方のうち一人または複数人の身分事項を証明するものになります。
国際結婚と戸籍について
国際結婚をした場合でも、戸籍は日本人のみ編製されるものですので、外国人パートナーの戸籍は作られません。一方、子どもは日本国籍を持つ場合で独身の間は日本人の親と同じ戸籍となります。
戸籍は日本国籍を持つ人だけ
戸籍法において「戸籍」を編製する単位として、以下のように定められています。
第六条 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
戸籍法 第六条
日本人夫婦の場合は夫婦別姓は認められていませんが、国際結婚をした場合、名字は夫婦同姓にしてもしなくてもどちらでも構いません。後で説明する通り、名字(姓)を変えることもできますが、変えても変えなくても、結婚を機に新しい戸籍が作られることになります。
国際結婚のどのタイミングで戸籍が作られるかというと、日本の役所に届出を行ったときになります。国際結婚の場合、日本で結婚を成立させてから外国に報告する方法と、外国で結婚を成立させてから日本に報告をする方法があります。どこで結婚したとしても、日本人が結婚する場合には結婚の届け出が必要です。役所は婚姻届を受理したら、日本人の新しい戸籍を編製します。
戸籍謄本は日本国籍を持つ方のみ編製されますので、外国人の場合は戸籍が作られることはありません。身分次項として日本人の配偶者の欄に外国人配偶者の名前と国籍、配偶者の生年月日、婚姻の方法、届け出日が記載されます。
子どもの戸籍について
日本人と外国人の子は、日本で出生した場合は日本国籍になりますので、日本人の親の戸籍に記録されます。海外で出生した場合は、日本国籍を留保するためには、「国籍留保の届け出」を提出しその意思表示をする必要があります。「国籍留保の届け出」を出す場合は、外国で生まれて外国籍を取得し、日本国籍を有する場合になります。
一つの戸籍ではみな同じ姓になりますので、日本人の子どもの姓は日本人の親と同じになります。
名字(姓)を外国人配偶者と同じに変更することも可能
日本人と外国人が結婚した場合、特に手続きをしなければ日本人の苗字が変わることはなく、夫婦別姓となります。ただし、手続きをすることで外国人の姓を名乗ることが可能となり、この場合は戸籍の表記も変えられます。
姓の名乗り方には3つの選択肢があります。
・相手の姓を名乗る
・複合性を名乗る
特に手続きをしなかった場合は「夫婦別姓」になります。外国人パートナー者の姓を名乗る場合、婚姻後6ヶ月以内であれば市町村役場に「氏(姓)の変更届」を提出します。もし、6ヶ月を過ぎてから手続きをする場合には、家庭裁判所での変更の申し立てが必要です。この場合には、申し込む人が居住する地域を管轄する家庭裁判所への申し立てをします。
「複合姓」を名乗る場合は、居住する地域を管轄する家庭裁判所への申し立てをします。苗字や名前の変更は、正当な事由がある場合や、やむを得ない事由がある場合に認められるものになるため、しっかりと理由を準備が必要にはなります。
まとめ
以上、日本人と外国人が国際結婚した場合の「戸籍」について説明を致しました。日本人は結婚をしたら、戸籍が新しく作られますが、外国人パートナーが戸籍を持つことはありません。また、子どもが生まれたら子は日本人の親と同じ戸籍になります。
戸籍には身分事項がかかれますので、結婚相手については記載がされます。国際結婚をした場合、手続きをしなければ夫婦別姓となりますが、手続きをすることでパートナーと同じ姓を名乗ることも可能です。