3ヶ月以上の在留期間をもらって入国する外国人の場合でも、入国時に使用する査証(VISA)は1回限りのものです。つまり、入国したらその査証はもう使えなくなります。査証は使えなくなりますが、在留カードを持っている人は、出国前に「出入国許可」を入管でもらっていれば、査証が無くても再度入国することができます。本編では「出入国許可」について説明します。
「再入国許可」とは
日本に入国するためには、査証(VISA)が必要ですが、在留カードをもらった人の一時出国の場合には、入国のたびに査証を取り直す必要はありません。「再入国許可」を取ることで再入国をすることができます。
「再入国許可」について
外国人は日本に入国するためには「査証」がその都度必要になりますが、長中期在留者(在留カードを持っている人)については、一時的な出国については「再入国許可」を取ることで査証の発給を受けることなく、出国前と同じ在留資格であれば上陸・在留ができるようになっています。
今では次章で説明する「みなし再入国許可」の制度があるので、1年を超える出国を予定している場合や、「再入国許可」はこの「みなし再入国許可」が利用できない場合にはあらかじめ入管で申請をし許可を得てから出国することになります。
「再入国許可」を取ることで、在留期間の範囲内かつ最大で5年間(特別永住者の方は6年間)、連続して日本を出国する場合でも、再入国することができます。
再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があります。
▶参考:出入国在留管理庁「再入国許可(入管法第26条)」
「再入国許可」の手続きについて
「再入国許可」の申請は、出国する前に住居地を管轄する出入国管理局で行います。
申請できる人は、本人や本人の法定代理人、本人から依頼をされた申請取次の資格を持った人になります。
この手続きには手数料がかかります。
1回限りの場合は3,000円、複数回利用できるものについては6,000円かかります。
▶参考:出入国在留管理庁「再入国許可申請」
1年以内に戻ってくるならば「みなし再入国許可」
出張や帰国、旅行など様々な理由で海外に行くことがあると思いますが、このような短期間の出国であったとしてもその度に入管に許可を取るのは面倒かと思います。このため、一定の要件を満たしている人については、再入国がしやすくするための制度があります。
「みなし再入国許可」は出国時に空港で行う手続き
出国の日から1年以内・在留期限以内に再入国する場合には、先ほど説明した「再入国許可」の取得の必要はなく、「みなし再入国許可」で再入国ができます。
この「みなし再入国許可」については、出国時に入国審査官に対して、「みなし再入国許可」による出国を希望することを伝えます。外国人の方は、出入国時に「外国人入国記録・再入国出入国記録」(EDカード)を記入しますが、そのときに「再入国をする予定である」にチェックをすればよいです。
▶詳しくはこちら:出入国在留管理庁「平成28年4月1日から外国人入国記録・再入国出入国記録(EDカード)の様式が変わりました。」
「みなし再入国許可」がもらえない人
この「みなし再入国」はできる人とできない人がいます。
まず、「3月」以下の在留期間を決定された人、それから「短期滞在」で在留する人もできません。
また、下記に該当する人については、「みなし再入国許可」の対象にならないため、通常の「再入国許可」を取得する必要があります。
・ 出国確認の留保対象者
・収容令書の発付を受けている者
・ 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
・日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者
▶参考:出入国在留管理庁「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」
【質問】期間の更新や変更の申請中でも一時出国はできますか?
回答:できます。
申請中であれば、在留期限がすでに到来してしまって特例期間に入っている場合でも、特例期間中の間は出国・入国もできます。
ただし、特例期間の満了日までに入国しない場合は、申請中であっても再入国はできません。入国しなかった場合は、在留資格はなくなってしまうので、再度入したい場合は改めて「在留資格認定証明書交付申請」をして、在留資格認定証明書を交付してもらった後に査証申請を行って入国することになります。
特例期間とは
在留期間満了日に入管で更新の申請を行った場合、次の日からは自動で「特例期間」に入ります。この特例期間は、在留期間満了する日から2か月が経過する日もしくは、在留申請の結果が出る日までのどちらか早い日まで続きます。
在留カードを所持している方が,在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請(以下「在留期間更新許可申請等」という。)を行った場合において,当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは,当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から二月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は,引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留できます。出入国在留管理庁『特例期間とは?』
出入国在留管理庁『特例期間とは?』
申請した場合には、在留カードの裏面に在留資格に関する申請の最中であることが分かるようになっています。オンライン申請の場合は、スタンプは押されませんが、申請後に届く申請番号が書かれたメールを一緒に携帯していれば問題ありません。
まとめ
以上、「再入国許可」について説明をしました。
1年を超えて日本を出国する場合などについては、出国前に最寄りの入管で「再入国許可」の手続きを行います。1年以内の短期間の出国の場合は「みなし再入国許可」の制度を使えます。この場合は出国する空港でEDカードで再入国する意思を示せば再入国できます。