親だけ帰化した場合、子のビザはどうなる?

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外国人家族で親だけ帰化申請をした場合、「家族滞在」などで家族の扶養を受けて生活する在留資格(ビザ)で在留している「子」は、「家族滞在」などから別の在留資格に変更しなければならない場合があります。例えば、「家族滞在」で在留していた「子」は「定住者」などが該当します。本編では、このような場合の在留資格(ビザ)の変更手続きについて解説します。

親の帰化によって「日本国籍」の子になった場合はビザの変更が必要

例えば、外国籍の父・母・子の3人家族がいて、父の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」、母と子の在留資格は「家族滞在」の場合、父が帰化して「日本国籍」となった場合は、「母」と「子」は「家族滞在」から適切な在留資格に変更します。母(妻)は「日本人の配偶者等」に変更することができますが、「子」は「日本人の子として出生した者」でなければ「日本人の配偶者等」に変更できませんが、帰化者の帰化後に生まれた子は該当しないとされているため、別の在留資格を検討します。

子が18歳未満(未成年)で未婚の場合は「定住者」

例えば親のみが帰化して「日本国籍」となった場合場合、外国籍の「子」(未成年で未婚の実子)については、「定住者」を検討します。この場合には「定住者告示6号イ」に該当をしますが、下記のように定められています。

定住者告示6号
次のいずれかに該当する者(第1号から第4号までまたは第8号に該当する者を除く。)に係るもの

イ 日本人、永住者の在留資格を持って在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

今まで「家族滞在」で在留していた「子」は未成年(18歳未満)で未婚の実子の場合で扶養を受けて生活する場合には、「定住者」に変更をすることができます。

子が18歳以上の場合は”留学“や”就労ビザ”

子が18歳未満で未婚の場合は「定住者(告示6号イ)」を検討しますが、18歳以上の場合には、学生の場合には「留学」、就職している場合には何かしらの“就労ビザ”を検討します。“就労ビザ”というと「技術・人文知識・国際業務」などの学歴を要する在留資格を思い浮かべがちですが、大学や専門学校に進学していなくても、日本の高校を卒業した場合には、「特定活動」や「定住者」といった在留資格に変更できる可能性があります。

働く親と一緒に日本に来日して日本で育った外国籍の方は、日本で就労するためには就職する時点で、就労が可能な在留資格を持っている必要があります。活動制限のない身分系の在留資格の場合は変更の必要はありませんが、在留資格『家族滞在』や『留学』の場合には、就労が可能な在留資格に変更をする必要があります。

下記は、日本で育った子が就職する場合に候補となる在留資格の一覧になります。

在留資格在留資格の特徴・選択基準
技術・人文知識・国際業務会社等において学校等で学んだこと/実務経験を活かした知識や国際的な背景(言語や外国の感性等)を要する(「単純作業」、「訓練で習得する業務」、「マニュアルがあれば遂行可能務」等を除く)仕事をすることを目的とした在留資格
高度専門職1号「技術・人文知識・国際業務」などの要件(学歴や業務内容等)を満たした状態で、かつポイント制で70点以上の場合に取得が可能。
日本の大学を卒業し、N1を持っている場合は加点が大きいため、検討が可能な場合がある。
特定活動(46号・本邦の大学卒業者)日本の大学を卒業し(短大、大学、大学院)、日本語能力検定N1レベルである場合に、「技術・人文知識・国際業務」と比較して従事可能な業務の幅が広く、比較的自由に職業を選択することができる。
定住者小学校卒業までに入国した場合に選択可能。
基本的にはどのような業務内容でも従事可能
特定活動高校入学~高校卒業までに入国した場合に選択可能
基本的にはどのような業務内容でも従事可能
※身分系の在留資格活動制限は無いため、どのような業務内容でも従事可能
就職に伴って、その在留資格から変更する必要は基本的には無い

もし、就職も留学もしない場合についてはお近くの入管にてご相談ください。

在留資格(ビザ)の手続きについて

ここでは、帰化者の帰化前に出生した子の「定住者(告示6号イ)」の在留資格の手続きについて解説します。この在留資格は、帰化した親の扶養を受けて生活する18歳未満の未婚の子が該当します。

海外から家族を呼ぶ手続き ~在留資格認定証明書交付申請~

海外にいる家族(妻・夫・子)を日本に呼ぶ場合の手続きを「在留資格認定証明書交付申請」といいます。この手続きは、出入国在留管理局で呼ぶ側(日本人)が代理人となって手続きを行います。

他の在留資格から「定住者」へ変更する手続き ~在留資格変更許可申請~

既に日本で生活している家族(お子さん)の在留資格を「定住者」に変更する場合には、「在留資格変更許可申請」を行います。この手続きは、お子さんが住んでいる地域を管轄する「出入国在留管理局」で手続きを行います。

必要書類について

子の場合
・在留資格認定証明書交付申請書/在留資格変更許可申請書
・証明写真
・親(日本人)の戸籍謄本
・親(日本人)の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
・親(日本人)の職業・収入を証明するもの(在職証明書など)
・親(日本人)の身元保証書
※詳細はこちら
※上記のほかに、生活について補足で説明する書類や過去の在留状況を示す書類を出す場合もあります。上記の内容は最低限の書類になります。

出入国在留管理局へ申請をする

基本的に申請は申請人の居所を管轄する入管、もしく外国人や申請代理人の居住地を管轄する入管で行います。

申請先については下記の通り決まりがあります。

【原則】申請先の決まり
【在留資格認定証明書交付申請】※外国人が海外にいる場合
居住予定地もしくは申請代理人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
【在留資格変更許可申請 or 在留期間更新許可申請】
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
地方出入国在留管理官署管轄する区域
札幌出入国在留管理局北海道
仙台出入国在留管理局宮城県、福島県、山形県、岩手県、秋田県、青森県
東京出入国在留管理局東京都、神奈川県(横浜支局が管轄)、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、
群馬県、山梨県、長野県、新潟県
名古屋出入国在留管理局愛知県、三重県、静岡県、岐阜県、福井県、富山県、石川県
大阪出入国在留管理局大阪府、京都府、兵庫県(神戸支局が管轄)、奈良県、滋賀県、和歌山県
広島出入国在留管理局広島県、山口県、岡山県、鳥取県、島根県
福岡出入国在留管理局福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、
沖縄県(那覇支局が管轄)

分局が近くにない場合には、最寄りの支局や出張所での申請も可能です。ただし、支局や出張所次第では在留資格の申請を受け付けていない場合もあるため確認が必要です。

▶出入国在留管理庁:管轄について

誰が申請をするのか

海外から呼び寄せる場合には、基本的には申請人(外国人)を招へいする本邦に居住する日本人が代理人として申請を行うことができます。申請人の居住予定地か親族などの申請代理人の住居地を管轄する入管に申請に行きます。申請人が16歳未満の子どもの場合は、法定代理人(父母等)が代理人として申請することができます。

一方、届け出を行っている「取次者」であれば、申請を代わって行うことができます。「取次者」の例として、行政書士、弁護士が該当します。

まとめ

以上、帰化した親の外国籍の子の在留資格について解説しました。
18歳未満・未婚で引き続き、親の扶養を受けて日本で生活する場合には、「定住者(告示6号イ)」を検討することができます。18歳以上の場合には、学生である場合には留学ビザであったり、就職をしている場合は、経歴やお仕事内容によって在留資格を選択し適切なものに変更します。

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