【ビザ申請】高度専門職の配偶者・子・親の在留資格について

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在留資格「高度専門職」を持って日本で働いている外国人の場合は、家族と一緒に日本で生活することができます。家族は、配偶者(妻・夫)の他に、子と一定の条件を満たせば親も呼ぶことができます。配偶者(妻・夫)の場合、「家族滞在」ビザの他に、フルタイムの就労が認められている「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」という在留資格も選択できます。また、「高度専門職」は、条件付きにはなりますが唯一親の帯同が認められています。
本編では、高度専門職の家族のビザについて解説をします。

配偶者(妻・夫)の在留資格は2種類

在留資格「高度専門職」を持って日本で働いている外国人の配偶者(妻・夫)の場合は、ほかの就労ビザと異なり「家族滞在」と「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」の2種類から選択ができます。

在留資格「家族滞在」で在留する

配偶者(妻・夫)が「家族滞在」で在留するための条件と手続きにについて説明します。

「家族滞在」を取るための条件

「家族滞在」は、配偶者(「高度専門職」で働く妻・夫)の扶養を受けながら、日本で結婚生活を送ることを目的に取得する在留資格(ビザ)です。この在留資格(ビザ)では、基本的には就労はできません(次に説明する「資格外活動許可」をとって不要の範囲内のパート・アルバイトは可能)。

「家族滞在」をとるための要件は次の通りです。

「家族滞在」を妻・夫として申請する場合の条件
・真実の結婚であること
・安定した生活ができること
・同居をしていること

安定した生活をおくるために、「どのぐらいの給料があれば許可されますか?」とお問合せをいただきますが、公表されている明確な基準はありません。必要な年収は家族の人数や資産の状況等によって変わります。今現在の給料で日本で家族と問題なく生活できるだけの収入があれば概ね問題ありません。
当事務所に聞こえてくる「噂」では、「月給25万円は必要」という話しがありますが、この情報は概ねデマと言えます。家族構成によっては「月給20万円」でも許可される場合もあれば、「月給30万円」でも不許可になる場合もあります。

「資格外活動許可」について

「家族滞在」では、先にも説明しましたが就労はできません。「資格外活動許可」というものを取ることで、許可の範囲内・扶養の範囲内であればパート・アルバイトが可能です。

「資格外活動許可」というものは、大きく分けて2つあります。「包括許可」とよばれるものと「個別許可」と呼ばれるものがあります。「週28時間まで働くことができる」と言われて、多くの方が取得されているのは「包括許可」のほうになります。

資格外活動許可の包括許可を得れば、週28時間以内で、風営法で規制されていない業種であれば、単純労働も含めパート・アルバイトをすることができます。この「週28時間」については、どのよう日から1週間を起算した場合でも常に1週間について28時間以内、という意味になります。
また、「家族滞在」は、就労ビザで働く配偶者(妻・夫)の扶養を受けて結婚生活を送るための在留資格ですので、稼ぎすぎには注意が必要です。配偶者の収入を超えるようでは扶養を受けているとは言えないですし、扶養の範囲を超える場合は入管によっては更新が認められないといったこともあるようです。注意をしてください。

申請の必要書類について

配偶者(妻・夫)の場合
・在留資格認定証明書交付申請書/在留資格変更許可申請書
・証明写真
・結婚証明書
・扶養者の職業及び収入を証する文書(例:在職証明書、住民税の課税・納税証明書)
・在留カード/パスポート(※提示。在留資格変更許可申請の場合)

※詳細はこちら
※上記のほかに、生活について補足で説明する書類や過去の在留状況を示す書類を出す場合もあります。上記の内容は最低限の書類になります。

在留資格「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」で在留する

在留資格「高度専門職」には優遇されるポイントがありますが、その中のひとつに一緒に日本で生活する配偶者(妻・夫)が、一定の条件の範囲内でフルタイムで就労できるというものがあります。

「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」を取るための条件

「高度専門職」の配偶者の場合、就労制限のある「家族滞在」の他に、申請時に就労先が決まっていてその業務内容が在留資格『研究』、『教育』、『技術・人文知識・国際業務』、『興行』に該当する場合には、フルタイムで働くことができる「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」で在留することもできます。この在留資格では、無制限に職種を選べるわけではありませんが、1週間の週28時間の資格外活動許可の制限無くフルタイムで就労することが可能です。在留資格『家族滞在』のように、扶養の範囲内であることも求められません。
在留資格『研究』、『教育』、『技術・人文知識・国際業務』、『興行』の在留資格を取るためには、それぞれ学歴・職歴の要件などがありますが、「特定活動(33号・高度専門職外国人の就労する配偶者)」を申請する際には、学歴・職歴の要件はありません。日本人と同等以上の報酬を得ることと配偶者(高度専門職の方)との同居が条件となります。

就労ができる業務について
(1) 研究を行う業務に従事する活動
(2) 本邦の小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)、中学校(義務教育学校の後期課程を含む。)、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動
(3) 自然科学若しくは人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第1の2の表の研究の項、教育の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)
(4) 興行に係る活動以外の芸能活動で次に掲げるもののいずれかに該当するもの
ア 商品又は事業の宣伝に係る活動
イ 放送番組(有線放送番組を含む。)又は映画の製作に係る活動
ウ 商業用写真の撮影に係る活動
エ 商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音又は録画を行う活動
フルタイムで働く場合、学歴・職歴を満たしている場合は、通常の就労ビザを取得されたほうがよいです。詳しくは当事務所にお問合せ下さい。

申請の必要書類について

この在留資格は、就業先が決まっていなければ申請できません。
資格外活動許可は、“どこかでアルバイトしたい”という状態(就業先が未定)でも申請可能ですが、特定活動(33号)の場合は、基本的には雇用契約締結後に申請することになります。

配偶者(妻・夫)の場合
・在留資格認定証明書交付申請書/在留資格変更許可申請書
・証明写真
・結婚証明書(戸籍謄本、婚姻届け受理証明書、結婚証明書)
・高度専門職外国人のの在留カード又はパスポートの写し
・高度専門職外国人と同居することを明らかにする資料 ※これから同居をする場合
・が在留資格『研究』、『教育』、『技術・人文知識・国際業務』、『興行』で申請する際の必要書類のうち学歴・職歴を示す書類以外
・在留カード/パスポート(※提示。在留資格変更許可申請の場合)

※詳細はこちら
※上記のほかに、補足説明資料や過去の在留状況を示す書類などを場合もあります。上記の内容は最低限の書類になります。

子の在留資格

「高度専門職」の子が日本で生活するためには「家族滞在」で在留をします。

「家族滞在」を取るための条件

「家族滞在」を子として申請する場合の条件
・子であること(実子/養子・普通養子/特別養子、認知をした子)
・安定した生活ができること

「子」については養子(普通養子、特別養子)も認められます。また、婚姻する前に生まれた子どもや、婚姻後まもなくの間に生まれた子(非嫡出子)も認知をしていれば「子」として認められます。また、成年していても認められます。
基本的には親と同居が前提になりますが、大学生で地方の学校に通うなど事情があれば同居をしていない場合も認められる場合もあります。

「資格外活動許可」について

国による文化や価値観の違いがあるところになりますが、日本では「子は親の扶養を受けながら学校に通う」という一つの考えがあります。もちろん、独立・自立する年齢は義務教育を終えた16歳や大学を卒業した22歳など様々にはなりますが、働くということは親からの独立・自立ととらえられます。
この「家族滞在」という在留資格は、基本的には「親の扶養を受けて生活をする」ということになりますので、子が「資格外活動許可」を得てアルバイトをすることは可能ですが、この場合でも基本的には「お小遣い稼ぎの範囲内」となります。つまり、「安定した生活ができること」というのは「家族滞在」の一つの要件がありますが、「子」の収入を充てにすることはできませんし、「子」のアルバイト収入がなければ「安定した生活が送れない」という場合は、基本的には「家族滞在」は認められないません。

日本で就労活動をしたいのであれば、「家族滞在」ではない就労可能な在留資格を取得して在留するということになります。

申請の必要書類について

子の場合
・在留資格認定証明書交付申請書/在留資格変更許可申請書
・証明写真
・出生証明書/認知に係る証明書
・扶養者の職業及び収入を証する文書(例:在職証明書、住民税の課税・納税証明書)
・在留カード/パスポート(※提示。在留資格変更許可申請の場合)

※詳細はこちら
※上記のほかに、生活について補足で説明する書類や過去の在留状況を示す書類を出す場合もあります。上記の内容は最低限の書類になります。

親の在留資格

「高度専門職」の場合、一定の条件下で親の帯同も認められます

「高度専門職」の”親”は一定の条件の下で、在留資格『特定活動(34号・高度専門職外国人又はその配偶者の親)を取得することで日本で一緒に暮らすことができる場合があります。
この在留資格で親を招へいすることができる場合は、「高度専門職」で在留する者又はその配偶者の7歳未満の子(連れ子や養子を含む)を養育する場合や、「高度専門職」で在留する者の妊娠中の配偶者又は妊娠中の「高度専門職」で在留する者本人の介助、家事その他の必要な支援を行う場合になります。また加えて、下記の要件を満たしている必要があります。

親の帯同が認められる場合の要件
1,「高度専門職」で在留する者の世帯年収が800万円以上であること
2,「高度専門職」で在留する者と同居する者
3,「高度専門職」で在留する者又はその配偶者のどちらかの親に限ること

「高度専門職」で在留する人やその配偶者(妻・夫)の両親を、子どもが7歳になるまで子育てを支援してもらうために日本に呼ぶことができます。この制度の注意点として、子どもが7歳になった場合には親は帰国することになります。

世帯年収は、基本的には就職している企業や、経営している企業から得る報酬(給料)が対象となります。報酬には、ボーナスや役職手当などの労働に対する対価にあたる内容は含みますが、通勤手当や住宅手当、扶養手当などは含みません。配偶者の給料は、就労資格等を取得して就労する場合に受ける報酬の年額を合算したになります。
一方で、投資などで得た利益は世帯年収には含めないため注意が必要です。

▶参考:法務省『高度人材ポイント制 Q&A

必要書類

親の場合
・在留資格認定証明書交付申請書
・証明写真
・高度専門職外国人の世帯年収(予定)を証する文書

・高度専門職外国人若しくはその配偶者の7歳未満の子を養育しようとする場合
(1)次のいずれかで、申請人と高度専門職外国人又はその配偶者と身分関係、及び養育しようとする者が高度専門職外国人又はその配偶者の7歳未満の子であることを証する文書
 ア 戸籍謄本
 イ 婚姻届出受理証明書
 ウ 結婚証明書(写し)
 エ 出生証明書(写し)
 オ 上記アからエまでに準ずる文書
(2)高度専門職外国人、高度専門職外国人の配偶者及びその7歳未満の子の在留カード又はパスポートの写し 1通

・高度専門職外国人の妊娠中の配偶者若しくは妊娠中の当該高度専門職外国人に対し、介助、家事その他の必要な支援を行おうとする場合
(1)次のいずれかで、申請人と高度専門職外国人又はその配偶者との身分関係を証する文書
ア 戸籍謄本
イ 婚姻届出受理証明書
ウ 結婚証明書(写し)
エ 出生証明書(写し)
オ 上記アからエまでに準ずる文書
(2)高度専門職外国人又はその配偶者が妊娠中であることを証する文書(診断書、母子健康手帳の写し等)
(3)高度専門職外国人及び高度専門職外国人の配偶者の在留カード又はパスポートの写し

※詳細はこちら
※上記のほかに、生活について補足で説明する書類や過去の在留状況を示す書類を出す場合もあります。上記の内容は最低限の書類になります。

まとめ

以上、「高度専門職」を持って働く外国人の家族の在留資格について説明しました。
配偶者(妻・夫)の場合は、「家族滞在」やフルタイムで働くことができる「特定活動(33号)」の選択肢があります。子の場合は「家族滞在」を申請できます。また、「高度専門職」は親の帯同も認められています(条件あり)。

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