在留資格「日本人の配偶者等」:マッチングアプリでの出会いを説明する質問書の書き方

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近年、マッチングアプリが出会いのきっかけ、というカップルは決して珍しくなくなりました。それは国際結婚においても同様で、当事務所でも、そうしたお客様からのご相談は年々増えている実感があります。

ただ、いざ在留資格「日本人の配偶者等」の申請となると、「アプリでの出会いについて、正直に書いて大丈夫だろうか…」「審査で不利に扱われたりしないだろうか…」と、多くの方が筆を止めてしまわれます。公的な書類に、プライベートな出会いの経緯を書くことへの戸惑いは、当然のことでしょう。

この記事では、そんなご不安を少しでも和らげられるよう、「質問書」にどう向き合い、出会いの経緯を記述していけばよいか、その考え方のヒントを優しく解説していきます。

そもそも正直に「マッチングアプリ」と書くべき?

「友人からの紹介、ということにした方が無難だろうか…」

申請を前に、事実とは異なる説明を考えたくなるお気持ちはよくわかります。しかし、その選択は、在留資格の申請において最も避けるべき「虚偽申請」と見なされてしまう、大きなリスクを伴います。

審査官が知りたいのは、出会いの方法に優劣をつけることではなく、「お二人のご結婚が、真実に基づくものか」という、ただその一点です。

その中で、出会いのきっかけという基本的な事実を偽ってしまうと、「なぜ正直に書けないのだろう?何か他に隠し事があるのではないか?」と、申請内容全体の信憑性そのものに、疑念を抱かせるきっかけを与えてしまいかねません。
大切なのは、出会いのきっかけを正直にお伝えすること。そして、その後の交際を通じて、いかに二人の関係が真剣なものへと発展していったかを、写真やメッセージの履歴といった客観的な資料を添えて、丁寧に証明していくことなのです。誠実な姿勢こそが、審査官の信頼を得るための最も確実な一歩と言えるでしょう。

質問書作成の3つの重要ポイント

では、具体的に「質問書」を作成する上で、どのような点を意識すればよいのでしょうか。ここでは、特に大切になる3つのポイントについて、一つひとつ見ていきましょう。

ポイント①「なぜ、その相手だったのか」という点を明確にする

マッチングアプリには、数多くの利用者がいます。その中で、「なぜ、あなたは今のパートナーを選んだのですか?」という点を説明することが、お二人の関係の独自性や特別感を示す上で、非常に重要なポイントになります。

例えば、

  • 相手のプロフィール写真の、優しい笑顔に惹かれたこと
  • 自己紹介文に書かれていた趣味(旅行、料理、好きな映画など)が、ご自身と共通していたこと
  • 「将来は〇〇な家庭を築きたい」といった、結婚に対する価値観に深く共感したこと

など、お二人にしか分からない、パーソナルなエピソードをぜひ盛り込んでみてください。

こうした個人的なエピソードは、「年収」や「年齢」といった単なる条件で相手を選んだのではなく、一人の人間として相手の内面や人柄に魅力を感じた、という温かいストーリーを伝えてくれます。審査官も人間です。二人の物語に共感し、応援したいという気持ちになってもらうことも、時には大切なのかもしれません。

ポイント②オンラインからオフラインへの流れを丁寧に描く

お二人の関係が、アプリ上のバーチャルなものから、現実の交際へと着実に発展した「道のり」を示すことも、信憑性を高める上で欠かせません。

そのために、「質問書」には、具体的な日付や場所を交えながら、交際のステップを時系列で記述していくことをお勧めします。

例えば、 「2024年〇月〇日にアプリでマッチングした後、アプリ内で約2週間メッセージを交換し、お互いの人柄を知るようになりました。その後、LINEを交換し、2024年〇月〇日に、初めて新宿のカフェでお会いしました。その日はお互いの仕事の話や趣味の話で盛り上がり、とても楽しい時間を過ごしました。そこから週に一度ほどのペースでデートを重ね、3回目のデートの際に、私の方から交際を申し込み、お付き合いが始まりました。」

このように、具体的な日付、場所、その時の気持ちなどを丁寧に記述することで、審査官は二人の関係性の変化を具体的にイメージすることができます。これが、単なる事実の羅列ではない、「生きた物語」として伝わり、説得力を格段に高めてくれるのです。

ポイント③コミュニケーションの「量と質」を客観的証拠で示す

国際恋愛では、LINEやメッセンジャーでの日々のやり取りが、お二人の心の距離を縮める上で大切な役割を果たしますね。このやり取りの履歴は、単に証拠としてまとめて提出するだけでなく、「質問書」の記述と効果的にリンクさせることが、説得力を高めるための専門的なテクニックと言えます。

例えば、「私たちは遠距離だったため、毎朝8時にビデオ通話をするのが日課でした(別添資料X参照)」と質問書に記述し、その通話履歴のスクリーンショットを添付する、といった形です。

漠然と「仲が良かった」と記述するのではなく、ストーリーの中に証拠を適切に位置付けることで、お二人の物語に客観的な裏付けが加わります。これにより、単なる思い出話ではない、事実に基づいた交際の記録として、審査官にアピールすることができます。

まとめ

マッチングアプリでの出会いを、ご自身の言葉で「質問書」に記述していくことの難しさについて、解説してきました。プライベートな内容なだけに、どう表現すれば良いか戸惑うのは当然のことでしょう。
大切なのは、単なる事実を並べるのではなく、お二人にしか描けない「物語」として、その経緯を丁寧に伝えることです。客観的な証拠を添えながら、真剣な交際であったことを誠実に示す姿勢が、信憑性を高める鍵となります。

もし、ご自身のケースをどう表現すれば良いか迷われたり、少しでもご不安に感じたりした際には、一人で抱え込まず、ぜひ一度私たち専門家にお気軽にご相談ください。

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