同性婚のパートナーは家族ビザを取得できるのか

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日本では同性婚は法律では有効な婚姻として認めておらず、パートナーシップの制度などもありませんが、諸外国では認められている背景を受けて、在留資格(ビザ)については「特定活動」として在留を認めています。特に、外国時同士の場合、母国では有効な婚姻が成立している場合もあり、その婚姻についてと日本での安定した生活が見込まれれば「特定活動」の在留資格が許可されています。
本編では、日本における同性婚パートナーの在留資格(ビザ)について解説します。

日本の結婚事情と世界の対応について

2023年10月現在、世界で同性婚を認めたり、登録パートナーシップなど同性カップルの権利を保障する制度を持つ国は35か国あります(2024年1月に36か国になります)。
世界では少しずつではありますが同性婚を認める国が増えていますが、日本では自治体単位でパートナーシップの登録を認める動きはあっても、民法などの法律では同性婚については認めておりません。

民法では婚姻関係が成立すると「配偶者」に該当することになりますが、入管法における夫婦(いわゆる家族ビザの対象となる夫婦)は「配偶者」を指しており、同性パートナーや内縁者については該当しません。

「配偶者」でなければ取得できない在留資格(ビザ)はいくつかありますが、例として「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」などが挙げられます。海外で同性婚が成立していても日本の民法上「配偶者」ではないことから、これらの在留資格は申請できません。しかし、同性婚パートナーの場合、「特定活動」であれば「家族滞在」のように日本に在留しパートナーとともに生活できる可能性があります。

同性婚でも家族ビザが認められる場合はある

同性婚パートナーの場合は「特定活動」を申請することができますが、外国人同士、また外国人と日本人のパートナーかによって事情は変わってきます。

外国人同士の結婚の場合

前に説明した通り、日本の民法や入管法上で定義する「配偶者」の単語には、同性婚パートナーは含んでいません。このため、「家族滞在」や「永住者の配偶者等」といった在留資格で申請できる人である「配偶者」では該当しないため、申請できませんでした。
しかし、外国では同性婚を認める国が出てきている背景を受け、法務省は平成25年10月に通達を出して、入国・在留を認める見解を発信しています。

同性婚の配偶者に対する入国・在留審査について(通知)

(前略)

在留資格「家族滞在」,「永住者の配偶者等」等にいう「配偶者」は,我が国の婚姻に関する法令においても有効なものとして取り扱われる婚姻の配偶者であり,外国で有効に成立した婚姻であっても同性婚による配偶者は含まれないところ,本年5月にフランスで「同性婚法」が施行されるなどの近時の諸外国における同性婚に係る法整備の実情等を踏まえ,また,本国で同性婚をしている者について,その者が本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう人道的観点から配慮し,今般,同性婚による配偶者については,原則として,在留資格「特定活動」により入国・在留を認めることとしました。

(後略)

平成25年10月18日 法務省管在第5357号 通達 

上記の通知の通り、入管は外国人同士の結婚が成立している場合について「特定活動」(告示外)で在留することを認めています。

日本人と外国人の結婚の場合

日本人と外国人の同性婚の場合、日本の民法で同性婚が認められていないため、結婚が成立しないことから、外国人同士の同性婚とは異なり「特定活動」家族ビザへの変更は認められない、とこれまではされていました。しかし、アメリカで結婚をしたアメリカ人と日本人の同性カップルが、日本国内で在留資格が認められないのは不当であるとして国を訴えた裁判が行われ、東京地方裁判所は2022年9月30日に「外国人同士の同性カップルが『同性婚』を認めるのに対して、外国人と日本人のカップルでは認めないのは法の下の平等を定めた憲法の趣旨に反する」として、「在留資格「特定活動」を認めない日本政府の対応を違法」と判断しました。
日本人と外国人の同性カップルの場合でも、「特定活動」が認められる可能性が高まってきました。(実際には、認められているケースもあるようですが、入管によってはしっかりと事前確認と交渉をしなければ申請を受け取ってもらえないケースもあるとのことでした。)

いずれにしても難しい申請になるには違いありませんが、しっかりと準備を行えば、外国人同士でも外国人と日本人のカップルでも「特定活動」が認められる可能性は十分にあります。

家族ビザが認められる条件

同性婚が成立しているからと言って、当然に在留資格(ビザ)がもらえるわけではありません。
というのも、異性との結婚の場合でも様々な角度から結婚が有効であるかどうか、生活に問題がないかということが審査されます。とりわけ、配偶者(妻・夫)というステータスがあることでもらえる在留資格(ビザ)の審査では「偽装結婚」でないか入念に確認されます。
これは同性婚であってもしっかりと審査されることですので、同性婚の場合も同じです。お二人の結婚が真実の愛から成立し、実態のあるパートナーとしての関係性があることは、申請者が自らしっかりと説明をしなければなりません。

同性婚パートナーのビザに必要な要件
・結婚関係が真実であること
・結婚生活が、同居のもとお互いに助け合い支え合うものであること

同性婚パートナーの在留資格では、すでに日本で生活を送る「日本人」や「永住者」、もしくはいわゆる就労ビザなど自立して生計を立てられる方がいて(ここでは「本体者」といいます)、その人の扶養を受けること、生活を一緒に送ること前提でパートナーの在留資格を申請をすることになります。

また、本体者の在留資格(ビザ)が何であっても、同性婚の場合は、同性婚パートナーの在留資格は「特定活動(告示外)」に現状はなります。「特定活動」の場合は働くことはできませんので、働きたい場合には「資格外活動許可」を取って働くことになります。

ちなみに、この「特定活動(告示外)」は海外から申請することはできない在留資格になるため、一度日本に来てから、その後に在留資格を変更する手続きを行うことになります。

まとめ

以上、同性婚パートナーの在留資格(ビザ)について解説しました。
入管は同性婚パートナーの在留資格を認めており、許可されれば「特定活動(告示外)」で日本に在留し生活をパートナーと送ることが可能です。
しかし、異性婚でも同じことですが、ご自身たちの結婚が偽装結婚でないこと、安定した生活を送れることをしっかり説明し、問題のない結婚生活であることを申請時に証明する義務は申請人にあります。結婚が成立していれば当然に在留資格(ビザ)はもらえるものではないので、しっかりと準備をする必要があります。

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